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「吟醸酒」を世界の言葉に

以下に日本醸造協会誌、2011年3月号に載った理事長の巻頭随想を紹介いたします。


「吟醸酒」を世界の言葉に

日本吟醸酒協会理事長 仲野益美


  日本吟醸酒協会は1981年に、吟醸酒を日本酒における最高品質と認識し、吟醸酒造りを通して日本の食文化に貢献することを目的に、初代・武田武義理事長のもと、全国43社の有志が集まり設立いたしました。また、1985年には建築家の篠田次郎氏を会長に迎え、10年の長きに亘り吟醸酒応援団長として会発展のためご尽力をいただきました。現在は53社の蔵元で活動を行っております。


もうすぐ訪れる桜の季節になると日本全国そこかしこで花見の宴が繰り広げられます。最近まで、花見に欠かせない酒は日本酒でしたが、このところ他のアルコール飲料が目立つようになり、日本酒が出ないことも珍しくなくなってきました。日本酒離れが伝統的な祭とも言える花見にまで及んできています。


日本酒は1973年をピークにして過去30年にわたり減少傾向が続いており、特に1996年以降は減少ペースに拍車がかかり、2009年にはピーク時の35%に減少し、シェアは6.8%にまで落ちています。


そんな厳しい現状を打破する一つは、日本酒造組合中央会・浅見敏彦前副会長が「伝統民族酒の価値は世界的にも認められうるものであるがゆえに、國酒を国際化し、世界酒にすることは必ずや現実のものとしなければいけません」と退任にあたりお話しされているとおりに、国際化、輸出にあると考えます。


またその切り札に成り得るのは、日本民族の叡智の結晶であり、日本人が酒造りにかけた情熱の証である吟醸酒であると思っています。吟醸酒は日本酒の中でまだ10%弱のシェアでしかありませんが、あの馥郁たる香りと口中いっぱいに拡がる芳醇な味わい、それでいて透明感のある爽やかな後味は、全世界の人々の胸を打つと確信しています。


吟醸酒の本格的な輸出はまだ始まったばかりです。世界中に日本食を広めた先人達の努力によって日本食が海外で受け入れられ、また、熱心な輸入業者の皆さまの地道な啓蒙活動により高価格の吟醸酒も販売できる、多様化したレストランマーケットが生み出されたと言えます。


今後も継続的な啓蒙活動により、吟醸酒の素晴らしさを伝え吟醸酒ファンをつくっていかなければならないと考えます。


また、街のリカーショップでも買える状況を広め、家庭でも吟醸酒が楽しめるようにする必要があります。レストランでの高価格の吟醸酒の販売に専念し、リーズナブルかつ高品質のアイテムの投入を怠れば、ごく一部のお客様のみが楽しむ酒となり、将来的には、日本国内で過去にたどった日本酒衰退の歴史同様に消費量が減少していく危険性があります。日本酒メーカーは過去の反省を新たなマーケットでの教訓として生かせるか、岐路に立たされていると思います。


SAKEという言葉は一般の外国の方にも浸透してきましたが、日本吟醸酒協会は日本の素晴らしい文化を担う吟醸酒が世界の共通語になるように、今後も加盟蔵元一丸となって努力していかなければならないと、心新たにしているところです。