吟醸酒についての知識
特定名称酒と呼ばれている純米酒や本醸造酒の中で、お米を60%以下に精米して使用し低温でじっくり発酵させるなど、特別に吟味して造ったお酒で、果物を思わせる香り、すっきりした飲み口、のど越しのなめらかさが特徴です。
製法によって次のように呼ばれます。
特定名称 | 原 料 | 精米歩合 |
大吟醸 | 米、米麹、水、醸造用アルコール | 50%以下 |
吟 醸 | 米、米麹、水、醸造用アルコール | 60%以下 |
純米大吟醸 | 米、米麹、水 | 50%以下 |
純米吟醸 | 米、米麹、水 | 60%以下 |
古くは「吟造」「吟製」という言葉がありました。江戸時代後期から酒樽の絵や焼き印のひな型に使われたそうで、謹んで造る、謹製と同じような意味で用いたそうです。
そして「吟醸」という言葉は1894年(明治27年)に新潟県の酒造家、岸五郎氏が著した「酒造のともしび」が初出のようです。その後、1906年(明治39年)発行の「醸造協会誌」や1909年(明治42年)発行の「醸造試験所報告」などにその記述が見られます。
明治時代に清酒品評会の入賞を目指して、原料米の磨きや吸水具合、仕込み水の性質、低温でのゆっくりとした発酵管理など、酒造りの技術を高め競い合う課程で、吟醸酒は誕生しました。今も続く「全国新酒鑑評会」の一般公開を通じて、消費者に少しずつ存在が知られることになりましたが、当時、飲んでみたくても市場にはありません。手に入れるには、商品化される1980年頃まで待たなければなりませんでした。
(参考文献)
・ 池田明子『吟醸酒を創った男―「百試千改」の記録』時事通信社、2001年
・ 篠田次郎『吟醸酒への招待―百年に一つの酒質を求めて』中公新書、1997年